映画「フロントライン」

 人は窮地に立たされた時にこそ、本来の姿が出てきます。

 逃げるのか、立ち向かうのか、ただ傍観するのか…

 どの気持ちも分かるし、正解なのか不正解なのかは無いのだと思いますが、人のために命を懸けて戦った人間を誰も責めることは出来ないし、人の命を最優先に考えて出した答えを誰も間違いだ!とは言えない、、。

 そんな事を考えさせられるコロナ禍でのダイヤモンドプリンセス号でのドキュメント映画「フロントライン」を、昨日は久しぶりに暇な日曜日だったので自宅でU-NEXTで観ました。

 相模原中央病院に日本で初めてコロナ陽性が判明した方が入院した時、その病院に通っている患者さんが、「もうあそこにはかからない!」と私の前で言った時に、私が患者さんに「何を言ってるの?こんな時に立ち上がって患者さんを受け入れてくれた病院は、称賛に値することでしょ?素晴らしい病院ということなのですよ!」と少しキレ気味に言ってしまいました。

 あの時、自分が感染してしまったら、「受け入れてくれる病院があって欲しい!」と思ったでしょうに、自分が感染していないと、感染者や病院をバイ菌扱いするのはおかしいですよね?…とはいえ、人というのは弱いものなので、理解出来なくはないのですが、、。

 うちの職員、コロナの方を診察することを初めから嫌がること無く、誰も怖がらずに私の考えに従って動いてくれました。必死に戦ったあと、職員達との絆がものすごく深まったし、自分も医者である事に誇りを持てたし、それを見ていたせいなのか、自分の子供達もそれぞれの職場で誰も逃げずに戦ってくれて、結局家族全員で感染を経験してしまったのですが、誰かが感染してしまっても、「お前もこれで免疫が付くな!」と笑って過ごせて。

 医師会の対応のあまりの消極さに怒りを覚えて、会長選に出馬したりもしましたが、今ではそんな事実は無かったかのような感じで振り返りもなく…、会長には、私は少し危険な理事という印象で警戒されている気がしています。(笑)

 今のような事無かれ主義の、誰かがやればそれで良いという感じの体制では、もう一度同じようなことが起きたら、また同じ後手後手の対応になると思うので、どげんかせんといかん…。

 映画の中で、「これ以上コロナ患者が運ばれてくるならこの病院を辞めると言ってきた職員がいるぞ!どうしてくれるんだ!」という病院のお偉いさんに対して、「辞めれば良い!いや、ここだけの話ではなく、こういう時に辞めたいと言うような医療従事者はみんな辞めれば良い!」と言ってのけた主人公の小栗旬に拍手っ!

 「俺達はこんな時のために医者になったんだ!今働かなくていつ働くの?」と言った船内でのDMATの責任者役の窪塚洋介にも拍手っ!

 まだ稼働していない藤田医科大学病院の新病棟の先生(滝藤賢一)が、多くの感染者や濃厚接触者を受け入れた時に、「なんでこんなことになるんだ!7人も陽性者を受け入れたら、普通の病院でもパニックになるだろ!」と文句を言いながら、「これからコロナで日本中が大変なことになる、だから、俺にも色々教えてね!」と言って笑顔になるところに拍手っ!

 当時、さんざんバイ菌扱いされたコロナに対応した先生達とその家族…。当時の感染対策に対してメディアも含めて色々言われてしまっていましたが、当時の日本には感染大爆発の時に対応する機関が無かった中、災害対策のために作られていたDMATが立ち上がらなかったら、日本はどうなっていたか?そう考えたらゾッとするし、まだまだ使命感に溢れた先生が日本にいるのだという安心感。実は主役の先生のモデルになった医療危機対策統括官の阿南先生は、災害対策の指導者で、私も何度もご指導いただいておりまして、頭も良いしお洒落だし、話も上手くて、、本当に男が憧れる男という感じの先生です。

 私なんぞ、本当に不器用で、話も下手で、リーダーシップも取れない男なのですが、私も私の家族も、そして職員も、この先、同じようなパンデミックが起きても、必ず逃げずに立ち向かうと思いますので、泥舟(笑)に乗ったつもりで、地域の皆様は安心してお過ごしいただけましたらと思います。_(^^;)ゞ

 良い医者が発する言葉ってあるのよ…それが随所にある映画でした。(*’ω’ノノ゙☆パチパチ

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