迷走内閣、裸の王さま状態

 「先生、コロナで患者さんがたくさん来て大変でしょうけど、儲かってしょうがないでしょ?」なんておっしゃる方がいるのですが、コロナが怖くて医療機関に行くのを避けている方が大勢いるのと、慢性の方がなるべく来なくて済むように、2ヶ月分とか3ヶ月分のお薬を出すようにしたので、真面目な話、当院で3割以上の減収です。

 病院などでは尚更、コロナ関連の減収は計り知れないほどで、東京女子医大病院のボーナスゼロも、感情論を抜きにした経営だけを考えると普通にうなずける話かも知れません。

 コロナをたくさん診て頑張っている医療機関ほど、病棟のワンフロアを全てコロナの患者さんの受け入れに使うために、一般の患者さんが使えるベッドが少なくなってしまったり、待てる手術は延期したり、消毒薬や防護服などの準備で出費がかさんだり、その減収幅はとてつもなく大きくて、経営どころか存続そのものが危うくなっている所もかなり出てきています。

 医療従事者の愛情や熱意、使命感に頼って、現場での献身的な頑張りだけで今の医療が保てているというのが本当のところで、自分がうつってしまって死ぬかも知れない、また、家族にうつすかも知れない…という超ハイリスクな生活をかなり長い期間強いられているのに、政治家に、「医療は逼迫していない!」などという言葉は軽々しく使って欲しくないものです。

 それより、(自民党の議員さんは全員アベノマスク着用で)自分の目でしっかりと現場を見に来て、真剣に医療現場の現状を把握して、何が足りないのか、さだまさしみたいに的確な援護射撃をして欲しいものですなぁ。

 私ですら、「患者さんに尽くして、うつってしまったら仕方ない、運が悪けりゃ死ぬだけ…。」と腹をくくって毎日を過ごしているのですから、病棟で実際にコロナと毎日戦っている医療従事者の方々のストレスは、想像を絶するものだと思います。

 アベノマスクが再送付なんていうニュースをみると、国民との感覚のズレもここまで来たかと…。残念を通り越して、もはや彼らは税金泥棒!邪魔っ!

 このアベノマスクの再送付の報道で、医療従事者のモチベーションがどれだけ下がるか…本当に残念で仕方ない!

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