蚊から学ぶ

 蚊にくわれた、かまれた、刺された…。

 出身地によっていろいろな言い方があるようですけど、あんな小さな蚊に人間が食われるわけもなく、不自然。

 やっぱり、私的には刺されたが一番しっくりくるような…。

 以下、記事より…

 「実は、蚊の針は1本ではありません。1本に見えるけど、上唇(じょうしん)、下唇(かしん)、咽頭(いんとう)、そして大顎(おおあご)と小顎(こあご)が2本ずつ、計7本で成り立っていて、それらを駆使して血を吸っているんです。なかでも重要なのが上唇と小顎の3本。下の図を見てください。真ん中にあるのが上唇で血を吸う部分です。そして、上唇の両側に小顎があります。小顎はノコギリのようにギザギザになっているのがわかりますか? このギザギザも痛みの軽減に役立っています。ギザギザの先しか皮膚に触れないので、その分、抵抗が小さくなりすっと刺さりやすい。さらに、この3本が連動し動くことで、痛みをやわらげています。
 まず、小顎の1本を突き刺しながら上唇を引きます(①)。次に、上唇を突き刺しながら、2本の小顎をともに引く(②)。今度は、①とは逆の小顎を突き刺しながら、上唇を引きます(③)、そして最後に、両方の小顎を引いて、上唇をぐっと突き刺す(④)。この一連の動作を1秒間に2~3回繰り返しながら前進しています。加えて、咽頭と呼ばれる針から唾液を出して血液が固まらないようにし、時間をかけて上唇から血を吸っているんです。
 ここで、「単純に針を細くしたほうが痛くないのでは?」と疑問が湧いたかもしれませんね。たしかに、細ければ人が痛みを感じる痛点を避けやすい。しかし、細いと折れやすく蚊にとっては危険なんですね。それと、先ほどの3本の針を出し入れすることで、単純に3本の針の合計と同じ断面積を持つ1本の針を刺すよりも少ない力で刺せることが、私たちの研究でわかってきました。だから、このメカニズムが最も都合がいいわけです。ちなみに、血を吸うのはメスだけ。卵を成熟させるため、いまのように進化したと考えられています。

 そういうことから生物がもつ特殊な機能や不思議な能力を利用する「バイオミメティクス(生物模倣)」が近年、注目されるようになってきた。有名なのは、サメの肌に似た構造を採用してスピードを速めた競泳の水着だろう。カタツムリの殻がいつもきれいなことをヒントに、特殊な外壁材が生み出されたりもしている。青柳先生と共同研究を行っていた企業も蚊の針を模倣した「糖尿病患者向けの注射針」を開発・販売し、実際に患者に利用され始めている。」

 蚊の針から糖尿病の方が利用する針が開発されたんですねぇ。φ(..)

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